アルファ・ロメオは、1910年にイタリアはロンバルディアの有志たちによって、ミラノ近郊アレーゼでA.L.F.Aとして出発し、まもなく篤実な実業家ニコラ・ロメオの協力を得て、アルファ・ロメオとして再出発しました。最初期のアルファを設計したのはジュゼッペ・メロージで、1923年にはタルガ・フローリオで上位を独占しました。同年には、エンツォ・フェラーリの推薦で、ヴィットリオ・ヤーノというエンジニアがアルファ・ロメオに迎え入れられ、数々の名車を生み出します。やがてエンツォは自らのスクーデリアを率いてレースで采配を振るうようになり、時には、アルファ・ロメオのワークスチームとして、タッツィオ・ヌヴォラーリのような勇敢なレーサーたちを擁して、タルガ・フローリオ、ミッレミリア、ル・マン24時間はもとより、モンツァやモナコやニュルブルクリングで繰り広げられた各国のグランプリでも、多くの勝利を獲得しました。戦後は、オラジオ・サッタが設計を担当し、1900、ジュリエッタ、ジュリアなどの名作を生み出しました。特筆すべきは、アレーゼで生み出されたアルファ・ロメオのすべてが、DOHCのエンジンを搭載していたことでしょう。一見、普通の4ドア・セダンであっても、中身は高性能なスポーツカーそのものでした。モータースポーツの歴史で最も輝かしい足跡を示してきたアルファロメオの熱い血脈は受け継がれ、今もなお脈打っていることでしょう。
アウト ガレリア "ルーチェ" では「THE 100th ANNIVERSARY OF ALFA ROMEO ーHistory of The Alfa Romeo Spiderー」 を開催します。テーマとして、アルファ・ロメオの各時代を彩どる艶やかなスパイダーに、スポット・ライトをあてました。
ミッレミリアで活躍した6C 1750SS ZAGATOから、アルファ・ロメオの100周年とピニンファリーナの80周年を記念して開発された最新のスパイダー・デュエッタンタに至るまでのアルファ・ロメオ・スパイダーの魅力を、一世紀に渡る栄光の歴史のなかに、ご覧下さい。同時に、アルファロメオをテーマにした牧田 哲明の一連の作品も展示します。牧田は、アルファ・ロメオのレースにおける瞬間のシーンを木版画という技法で、永遠の記憶として定着させました。昔のモノクロ映画のようなノスタルジアの世界をお楽しみください。