イタリア実業界で立志伝中の人となったピエロ・ドゥジオは、第二次世界大戦後、復興もままならない瓦礫の街の中から、誰よりも早くスポーツカー・メーカー“チシタリア”を興した。1946年戦後初めてのレースで栄冠を勝ちとると、ミッレミリア、タルガ・フローリオ等の数々のレーシングシーンで活躍した。作りあげられたクルマ達はどれもが美しく、風洞による最先端の航空力学を駆使してものや、動く彫刻とも比喩されたクルマもある。1949年にはレース活動による資金難の為、幕を閉じてしまうが、流星の如く輝いた、チシタリアの存在は、神話として今日まで語り継がれている。
アウトアウト ガレリア“ルーチェ”にて開催します「Great History of Little Cisitaria 〜イタリアの至宝、チシタリアの輝き」では、イタリア、トリノで活躍したスポーツカー・メーカー“チシタリア”にスポットを当てました。“チシタリア”はメーカーとしては短命でしたが、華々しいエピソードと美しいクルマ達を後世に残しました。中でも1947年に発表された202Coupeは、ヨーロッパ中の実業家たちから“小さな宝石”と呼ばれ、1951年に開催されたニューヨーク近代美術館(MOMA)の特別展示会にて“動く彫刻”と目録に取り上げて以来、永久展示されている史上初の自動車です。今回は、この202Coupeを筆頭にチシタリアの歴史を代表する3台の実車が一同に会するまたとない機会です。夢を叶え、儚く消えて行った、追憶の断片達は切なさと美しさに満ちています。